ランチェスター戦略入門【早わかりランチェスター】by竹田陽一先生

この動画は、
ランチェスター経営株式会社の代表である
竹田陽一氏による
「ランチェスター戦略入門」
(早わかりランチェスター)
の解説講義動画です。

従業員100人以下
(特に50人以下)の中小企業が、
大企業のマネをすることなく
市場で勝ち残り、
高い利益を出し続けるための
「弱者の経営戦略」
の全体像について、
図表や計算式を用いて
体系的に分かりやすく説明しています。

1. 従業員100人以下の中小企業に「MBAや米国流経営」が役に立たない理由

世の中の経営書やコンサルティング、
MBAなどで教えられている
マーケティングや
マネジメント手法のほとんどは米国製です。

これらは従業員3,000人〜1万人以上の
「大企業(強者)」を
モデルにして構築されています。

日本の企業数の98%以上を占める
「従業員100人以下の中小企業」
の経営に
大企業のやり方を
そのまま当てはめても、
資本力や規模の差があるため
役に立たないケースが非常に多いです。

中小企業が生き残るためには、
日本独自に発展を遂げた
「弱者の経営戦略(ランチェスター戦略)」
を学ぶことが極めて重要です。

2. 中小企業の利益実態と「マルクス価値公式の応用」

竹田氏は、
1人あたりの年間純利益
(業種別の実態)を解説しつつ、
価値(粗利益や経常利益)を生み出す要素を
以下の計算式で説明しています:

経済的価値 = 資金の力(ウェート4)+ 人の力(ウェート6)

人の力 =(社長の戦略知識 × 従業員の戦術技能)× 仕事時間

小資本・労働集約型産業の社長ほど勉強が必要

小売・飲食・サービス業など
設備や資金をあまり必要としない
「人の力(ウェート6)」
に依存する業種ほど、
純利益の数値が低くなりがちです。

つまり、
小資金でスタートできるビジネスの社長ほど、
「社長自身の経営戦略知識」
を高め、
「従業員の教育」
に力を入れなければ、
利益を出すことは物理的に不可能です。

しかし現実には、
こうした業種の社長ほど
勉強をサボる傾向があり、
結果として業績に苦しんでいます。

3. 経営の原点:お客と競争相手(二者関係)

会社を存続させ
る唯一のエネルギー源は
「粗利益」です。

粗利益は
「お客さんが自社の商品・サービスを買った瞬間」
にのみ発生します。

買うか買わないかの「決定権」は
お客さんが100%持っており、
売る側(会社)は0%です。

そのため、
経営を考える出発点は、
100%の決定権を握る
「お客さんを徹底的に研究すること」

そしてもう一つの原点は
「競争相手の妨害」です。

会社同士の実際の力関係は、
ランチェスター法則上
「戦闘力の2乗(事情比)」で現れるため、
2対1の兵力差であっても
実際の戦闘力差は「4対1」、
3対1なら「9対1」という
圧倒的な差になり、
まともに戦えば弱者は即座に潰されます。

4. 経営を構成する「8大要因」

お買い上げ(お客作り)を軸として、
経営は以下の8つの要因で構築されます。

【主役】(お客作りに直接関係するもの)

① 商品・サービス

どの業種を選ぶかで、
会社の利益の7割は自動的に決まります。

② 営業地域

どこを中心に営業活動をするか。

③ 客層

どのような業種・業界・顧客をターゲットにするか。

④ 営業対策

新規顧客を開拓する方法。
(10〜15種類のうち、
偏りを防ぐため最低3つは同時に行う)

⑤ 顧客維持

作った顧客が他社に流出するのを防ぐ対策。

【後工程】(仕組みを機能させる裏方業務)

⑥ 組織対策

役割分担、教育、賃金処遇など。

⑦ 資金・経費配分対策

お金の使い方。

⑧ 時間対策

1日・1ヶ月にどれだけの時間仕事を注ぎ込むか。

5. 利益性を決める「市場占有率(シェア)の原則」

経費節約など
細かな小手先のテクニックよりも、
利益性を決定づけるのは
「地域や商品における市場占有率(シェア)1位」
を確立することです。

具体的には、
特定のニッチな商品・特定の営業地域において
「市場占有率1位になり、
シェア26%以上を確保し、
2位に対して
『10:6(約1.7倍)』以上の大差をつける」
という条件です。

この局地的な1位を達成した中小企業は、
従業員1人あたりの経常利益が
業界平均の2倍〜4倍に跳ね上がります。

6. ランチェスター第1法則・第2法則と「弱者の戦い方」

第1法則(一騎打ち戦・局地戦の法則)

攻撃力 = 兵力数(量)× 武器性能(質)

一対一で戦う接近戦(古い戦い方)を指し、
力関係は単純な量に比例します。

第2法則(確率戦・広域戦の法則)

攻撃力 = 兵力数の2乗(量)× 武器性能(質)

近代戦(機関銃や広域兵器での戦い)を指し、
数の差が2乗(事情)になって現れるため、
数の多い強者が圧倒的に有利です。

弱者の差別化戦略

資本や人員の少ない中小企業は、
強者の戦場である
「第2法則の広域戦」
(大都市全体、総合的な商品ラインナップ)
で戦ってはいけません。

弱者は意図的に戦場を狭め、
一騎打ちが成立する
「第1法則の接近戦」
(特定の狭い地域、特定の商品、独自の強み)
に持ち込んで局地的な1位を狙うべきであり、
これが「差別化」の本当の原理原則です。

7. 知らぬが仏:倒産原因の7〜8割は「戦略ミス」である

本来、
弱者の戦略(ニッチ、接近戦、局地戦)をとるべき
中小企業(全体の99.5%)が、
間違えて大企業のマネである
強者の戦略(多角化、広域営業、価格競争)をとると、
経営効率が著しく低下します。

この戦略ミスによって、
従業員1人あたりの粗利益が
年間100万〜200万円単位で
「見えない損失」
として消えていきます。

20人の会社なら
年間2,000万〜4,000万円の損失となり、
5年で1億〜2億円の損となります。

恐ろしいのは、
この「戦略ミスによる赤字」は、
通常の会計上の数値分析(決算書など)では
絶対に原因を突き止められない点です。

原因が分からないまま衰退していくため
「知らぬが仏、
そのうち会社が
本当に仏(倒産)になってしまう」
と竹田氏は忠告し、
倒産原因の7割〜8割は
社長の戦略ミスが占めているため、
正しい弱者の経営戦略を
学ぶべきであると強く訴えています。