建築・塗装業界で
最もランチェスター戦略を駆使する経営コンサルタント
岡漱一郎氏
(株式会社ハードリング代表)
をゲストに迎え、
「コロナ禍などの厳しい市場環境下で
業績を伸ばす地域一番店の法則」
(ランチェスター戦略)について、
塗装・リフォーム業界に特化した
非常に具体的で実践的な戦略が語られています。
1. ランチェスター戦略とは「物理の法則」を応用した唯一の経営理論
世の中には
数多くの経営理論がありますが、
「物理の法則」
(100年前に発表された戦闘の数理モデル)
を応用しているものは
ランチェスター戦略だけです。
物理法則は
時代や環境が変わっても不変であるため、
(例:万有引力の法則などと同じ)
経営において
この法則に逆らってビジネスを行うと、
どれほど努力しても
赤字や倒産に追い込まれることが
データ分析からも実証されています。
2. コロナ禍でランチェスター戦略(エリア集中)が強い追い風となった理由
コロナ禍は、
移動自粛や県境をまたぐ
往来の制限などから、
意図せずして
強制的な「地産地消社会」を生み出しました。
消費者や顧客は
「遠くのよく知らない会社」を敬遠し、
「地元の近くで認知度が高く、
信頼できるおなじみの会社」
を最優先に選ぶようになりました。
そのため、
広く薄く営業地域を広げる
「広域営業型」の会社が
苦境に立たされた一方で、
あらかじめ特定の狭い地域に
経営資源を集中投下していた
「ランチェスター地域集中型」の会社は、
逆に大いに業績を伸ばす結果となりました。
3. 中小企業が1位になるための「3大戦略」と「局地戦」
ランチェスター戦略の核心は、
「地域」「客層」「商品」
を徹底的に絞り込み、
差別化された狭いカテゴリで
1位のシェアを獲得することにあります。
狙うべきエリアの広さ(塗装・リフォーム業界の場合)
狙うエリアは
「中学校区」
(車で5分〜最大15分圏内)
という極めて狭い範囲に設定します。
これだけ狭い範囲だからこそ、
限られた販促予算(人手)であっても、
ライバルの3倍以上の広告量(物量)を
局地的に集中投下することができ、
圧倒的な認知度(接触頻度の差)で
1位を奪うことができます。
段階的な拡大プロセス
「この狭いエリアしかやってはいけない」
という意味ではなく、
まずは拠点となる中学校区で
圧倒的1位を確立(起点作り)し、
そこで出た利益(軍資金)を元手に、
隣の中学校区、
さらにその隣へと
ドミノ式に1位エリアを拡張していく
ステップが正解です。
4. 地域シェア1位を獲得することで生まれる「圧倒的メリット」
特定の狭いエリアで
1位のシェアを確立すると、
以下のような好循環
(高い生産性と利益構造)
が自動的に発生します:
1. 相見積もり(あいみつ)の勝率が劇的に向上
認知度が高いため、
10本見積もりを出して
2本しか決まらないような
「無駄な負け戦」
(見積もり経費だけが飛ぶ状態)
がなくなり、
高確率で受注できるようになります。
2. 競合他社の撤退
その地域で戦っても
勝てないと悟ったライバル店が
勝手に諦めて去っていきます。
3. 移動コストの削減と職人の生産性向上
現場がすぐ近く
(片道5〜10分など)に集中するため、
移動のタイムロスが消えて
職人は1日に2〜3軒の現場管理や
施工を回れるようになり、
労働生産性が跳ね上がります。
4. 協力業者・職人が集まる
現場が近く
効率よく稼げる仕事をたくさんくれる会社には、
職人不足の時代であっても
優秀な協力業者が優先的に集まってくれます。
5. 口コミ・紹介紹介の自然増
現場が近接していることで、
近所同士のコミュニティで
口コミが勝手に繋がり、
営業マンの代わりとなって
新規案件を運んでくれます。
6. 利益の向上と労働時間の短縮
移動時間や見積もりの無駄が徹底的に省かれるため、
「業績(利益)が良いのに、
残業時間は劇的に短い」
(1人あたり生産性が非常に高い)
という
ホワイトな組織構造が実現します。
5. 所得の二極化に伴う「客層」のターゲットシフト
サラリーマン世帯の平均収入が
伸び悩む一方で、
一定の資産を持つ裕福層の資産は増えており、
市場は二極化が著しく進んでいます。
したがって、
同じ手足(人件費)や
打ち合わせ時間をかけるのであれば、
価格競争に巻き込まれる
70万〜80万円の
低単価案件ばかりを追うのではなく、
「150万円以上の高単価(高付加価値)
リフォームを喜んで買ってくれる裕福層」
を軸足に置いた
独自の客層アプローチを行わなければ、
労働生産性
(1人あたり粗利目標900万円以上)
をクリアして
自己資本を蓄積していくことは難しくなります。
総括
アステックペイントの代表・菅原氏も
「塗装業界は地域1位の店しか生き残れない、
まさしくランチェスター法則そのものの業界。
一度聞いて理解したつもりにならず、
何度も繰り返し勉強して
腹に落とし込み、
実践し続けることが
社長にとって最も重要である」
と熱く締めくくっています。